ジブリの世界観を楽しむ!映画に登場する&物語を感じるお菓子5選
映画に登場するお菓子や、どこか作品を思い出すような形や色のお菓子。ジブリを見て育った人なら、そんな小さな記憶に心を動かされることがあるのかもしれません。
目次
ジブリとお菓子のつながり
ジブリ作品に登場する食べものは、いつもどこか記憶に残ります。たとえば、千と千尋の神隠しに出てくる謎の料理や、ラピュタのパンと目玉焼き。物語の鍵にはならなくても、そこに“生きている人がいる”と感じさせるリアルさが、画面の中の味を印象的にしています。
そんな中で、お菓子は「ちょっとした楽しみ」や「誰かとの関係性」を象徴する小道具として使われることが多くあります。たとえば『火垂るの墓』で、節子が大事そうに握っていたサクマドロップス。ほんの短いシーンでも、そのお菓子が物語の重みや記憶のやさしさを引き立てています。
また、実際に登場しなくても、ジブリの世界には「これ、あの作品に出てきそう」と感じさせるお菓子が少なくありません。たとえばどんぐりの形をしたチョコレートは『となりのトトロ』の世界観にぴったりですし、光を透かす琥珀糖は『ハウルの動く城』の魔法のアイテムのようにも見えます。
登場したかどうかに関わらず、お菓子を通して作品を思い出すことができる。それは、ジブリ映画が細部にまで宿る“記憶のフック”で作られているからかもしれません。
サクマドロップス|世代を超えるなつかしの缶入り飴
映画『火垂るの墓』で節子が手にしていた、赤い缶のドロップ。1908年の発売以来、世代を問わず愛され続けてきたロングセラーのお菓子です。イチゴやスモモ、メロン、ハッカなど8種の味に、5種類のかたちが詰められています。ふたを開けるたびに、どこか遠くの記憶が呼び起こされるような存在感があります。
春日井なつ菓子 こんぺいとう|色と味が広がる伝統の砂糖菓子
『千と千尋の神隠し』で、ススワタリにあげていたこんぺいとう。このお菓子は、室町時代にポルトガルから伝わったとされる砂糖菓子のひとつで、現在も愛らしい姿のまま親しまれています。砂糖、もも、りんご、ぶどう、サイダーの5種の味を、カラフルな結晶のかたちで楽しめるのが特徴です。
どんぐりぴくにっく|森の中から届いたチョコレート
トトロの世界を思い出すようなどんぐり型のチョコレート。アーモンドとパフが入ったサクッとした食感で、森のおみやげのような可愛らしさがあります。お菓子を包むパッケージにも木の実らしいアクセントがあり、自然の中のピクニック気分を味わいたいときにぴったりの一品です。
きらら琥珀糖|魔法のように透ける“食べられる宝石”
砂糖を結晶化して作られる琥珀糖は、まるで魔法のアイテムのような不思議な透明感を持つお菓子。外側はシャリッとした歯ざわり、中はやわらかすぎず固すぎないプルプルの食感に仕上げられています。いちご、ラムネ、りんご、白桃、グレープフルーツの5つの味と色が、ひと粒ずつ幻想的な光をまといます。
ニャンとかしてケロ|黒猫ジジを思わせるミント菓子
ネコとカエルをかたどったミンツ入りカップのうち、今回は黒猫デザインを取り上げています。黄色い目と黒い毛並みが特徴のパッケージは、『魔女の宅急便』のジジを思い出させるような姿。作品を知っている人なら、きっとこの黒猫に見覚えがあるはずです。
ジブリの余韻を感じながら、紅茶と楽しむお菓子も気になる方へ。
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“ジブリっぽい”を感じるポイントとは?
「ジブリっぽい」と感じる理由は、見た目の印象だけではありません。作品の記憶と結びつくかどうか。今回選んだお菓子には、それぞれにそうした“ひっかかり”があります。
サクマドロップス
この赤い缶を見て、『火垂るの墓』の節子を思い出さない人は少ないかもしれません。ラスト近く、節子が空の缶を振っていた場面は、忘れられないシーンのひとつです。何気ない飴が、物語の中では記憶に残る風景のひとつになっています。
春日井なつ菓子 こんぺいとう
『千と千尋の神隠し』では、ススワタリたちが一斉にこんぺいとうを拾い集める場面があります。丸くてカラフルなかたちと、小さな手でせわしなく動く姿が重なって、記憶に残るワンシーンになっています。お菓子の軽やかさとジブリの間の取り方がぴたりと合った瞬間です。
どんぐりぴくにっく
『となりのトトロ』では、サツキとメイが庭でどんぐりを見つけるシーンがあります。あの瞬間から、ふたりはトトロたちの存在を感じ取りはじめます。木の実や葉っぱといった自然のモチーフは、ジブリ作品に欠かせないもの。どんぐり型のお菓子を見るだけで、あの森の静けさや小さな冒険の気配がよみがえります。
きらら琥珀糖
光に透けるかたちや淡い色の重なりが、『ハウルの動く城』の中に登場する星の子たちを思わせます。幼いハウルが、闇の中で星をすくいあげる場面のように、静かにきらめくものはジブリ作品では“魔法”として描かれることが多くあります。琥珀糖にもその不思議な光の気配があります。
ニャンとかしてケロ(黒猫)
『魔女の宅急便』のジジは、キキと行動を共にする黒猫として作品全体に登場します。黒く丸い目の表情や、ちょこんとしたフォルムを見るだけで、その姿が重なります。ジブリでは、言葉を話す動物や身近な存在が、登場人物の心に静かに寄り添っています。その関係性を思い出させる見た目です。
お菓子を通して思い出すジブリの魅力
ジブリの作品には、食べものが登場するシーンがたくさんあります。
それは豪華なごちそうではなく、むしろなんでもないごはんやお弁当、おやつのようなものばかり。でも、画面の中でそれらはとても魅力的に映ります。
一口で頬張るおにぎり、口の周りを汚しながら食べるパン、誰かと分けあうお弁当。食べものは、キャラクターの気持ちや場の空気を、言葉よりもはっきり伝えてくれます。
お菓子もまた、作品の中でさりげなく存在していて、ふとした瞬間に記憶に残ります。登場人物の手の中にあった飴の缶や、テーブルの上に置かれたラムネ。ストーリーの中心にはならないけれど、「あのとき、あれを食べていた」という情景だけが残っていることもあります。
ジブリの中の食べものは、“生活の中にあるもの”として描かれています。それは飾りではなく、暮らしの一部であり、感情のそばにあるもの。だからこそ、観ている人にとっても、その味や場面が「自分の思い出」と重なっていくのかもしれません。
印象に残る理由は、動きの描き方にもあります。一口ごとに動く腕や、飲み込むときの喉の動きまでが丁寧に描かれていて、本当にそこに人がいて、食べているように見える。そうしたリアルさが、作品全体に“体温”を与えているように感じられます。
また、ジブリでは「誰かと一緒に食べる」場面がとても多く描かれます。ただ食べるだけではなく、誰かと会話しながら、あるいは沈黙の中でも心を通わせながら食べる。そんな描写が、観る人自身の記憶や体験と自然に重なっていくのかもしれません。
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物語の記憶に、ひとくちのお菓子を添えて
ジブリ作品にふれるたびに、あの食べもののシーンが思い出される──そんな経験がある方はきっと多いはずです。
作品の中で描かれるお菓子や食べものは、ただの背景ではなく、キャラクターの気持ちや関係性、時間の流れまで伝えてくれる大切な要素になっています。
今回ご紹介したお菓子の中にも、どこかで“ジブリっぽさ”を感じるポイントが散りばめられていました。形や色、ちょっとした記憶の引き金。何気ないおやつが、物語の一場面や登場人物の表情を思い出させてくれることもあります。
作品を観返すきっかけに、おやつの時間に、誰かへのちょっとした贈りものに。
ジブリの記憶と一緒に楽しめる、そんなお菓子を選んでみるのもいいかもしれません。