日本酒に合うお菓子5選|甘さ・塩気・旨みで楽しむ晩酌時間
晩酌の時間に、つい手が伸びるお菓子。
甘さや塩気が日本酒の味わいを引き立ててくれることも少なくありません。
今回は、そんな日常に寄り添う“お菓子と日本酒”の組み合わせをご紹介します。
目次
日本酒とお菓子が合う理由
お菓子とお酒を一緒に楽しむスタイルは、今ではすっかり身近なものになっています。
なかでも日本酒は、種類や香りの幅が広く、さまざまな味との組み合わせがしやすいお酒です。最近では、すっきりとした純米酒や果実のような香りが特徴の吟醸系など、軽やかな飲み口のものも増えてきました。そうした背景から、甘いお菓子や塩気のあるスナックとあわせて楽しむ人も多くなっています。
また、日本では古くから「お茶請け」という文化があり、干し梅やかりんとうなど、甘さと塩気をあわせもつお菓子が親しまれてきました。そうしたお菓子は、飲み物と一緒に味わうスタイルになじみやすく、日本酒とも相性よくなじんでくれます。
今回は、甘さ・塩気・旨みといった味の違いに着目して、日本酒のそばに置きたくなるお菓子を選びました。次のセクションで、順にご紹介していきます。
日本酒と一緒に楽しみたいお菓子5選
甘さ、塩気、旨み——味の方向が違えば、日本酒との合い方も少しずつ変わってきます。
おやつとしてなじみのあるお菓子の中から、晩酌の時間にも自然に寄り添ってくれる5品を取り上げました。

こだわりの三度揚げと米油で仕上げた、黒糖蜜たっぷりのかりんとう。コクのある甘さとほんのり香ばしい後味が特徴です。
カリッとした食感はまろやかな純米酒と好相性で、やさしい甘みを引き立てます。甘い系のお菓子でゆったり晩酌したいときにぴったりの一品です。

やわらかく仕上げた種抜きタイプの干し梅で、甘みと酸味のバランスが絶妙です。
しっとりとした口当たりに、梅のほどよい塩気が重なります。キレのある辛口の日本酒と合わせると、味が引き締まり後味もすっきり。
食中酒との相性もよく、少量でも満足感のあるお菓子です。

愛知県・西尾産の抹茶を使ったチョコレートと、サクサクのクッキーを組み合わせた一品。
抹茶のまろやかな旨みとほろ苦さが口の中で広がります。吟醸酒や大吟醸酒の華やかな香りを引き立て、後味はすっきりと上品に。
チョコ系のお菓子ながら、日本酒との意外な相性が楽しめます。

塩味と醤油味を一口サイズで楽しめる、名前もユニークなあられアソート。
噛みごたえのある堅めの食感と、後を引くしっかりめの味つけが特徴です。
コクのある本醸造酒や香り高い純米酒と合わせると、味の一体感が生まれます。おつまみにも近い存在感で、手が止まらなくなるお菓子です。

コンテチーズを12%ブレンドした、厚みのあるチーズを使用した贅沢なチーズ鱈。
口に広がるチーズの深みと鱈シートの塩気が絶妙にマッチします。旨口タイプの純米酒や、少し温度を上げたぬる燗とも好相性。
チーズの芳醇さを味わいながら、日本酒の旨みもじっくり楽しめます。
ここに登場していないお菓子も、日本酒と合わせて楽しめる一品がいろいろ揃っています。
✨ 気になる方はこちらから
日本酒と楽しむための、お菓子の選び方ガイド
お菓子と日本酒を一緒に味わうとき、ポイントになるのは味のバランスと香りの相性です。ここでは、5つのお菓子を味のタイプ別に整理しながら、日本酒との組み合わせ方をご紹介します。
甘味タイプ:じっくり香る日本酒と
対象のお菓子:くろかりんとう/たけのこの里 西尾抹茶
黒糖や抹茶チョコなどの甘さには、香りが立つ吟醸系ややさしい口当たりの純米酒がよく合います。香りの余韻と甘みの広がりが重なり、食後にも楽しめる組み合わせです。
例:吟醸酒(冷や)や純米酒(常温)
酸味・塩味タイプ:キレのあるお酒で引き締めて
対象のお菓子:まるごとおいしい干し梅
甘酸っぱい系のお菓子は、日本酒のキレや辛口感で引き締めるのがポイント。酸味を包み込むようなすっきり系の辛口酒がおすすめです。
例:本醸造(冷や〜常温)、淡麗辛口タイプ
旨味×塩味タイプ:温度とコクで広がる組み合わせ
対象のお菓子:贅沢な チーズ鱈
チーズのコクと鱈の塩気には、旨みのある純米酒やぬる燗がぴったり。酒の温度でチーズの香りが広がり、おだやかな余韻を楽しめます。
例:純米酒(ぬる燗)、山廃系や熟成系
食感&塩味タイプ:しっかり味の酒と合わせて
対象のお菓子:あられアソート
噛みごたえのある堅焼きあられには、力強い味わいの本醸造や純米酒が好相性。塩味や醤油味と合わさることで、しっかりとした飲みごたえを楽しめます。
例:本醸造酒(常温〜熱燗)、純米酒(常温)
このように、味や香り・食感ごとに日本酒を選ぶことで、お菓子の魅力がぐっと引き立ちます。
次の晩酌に、ちょっとした甘い一品を取り入れてみてはいかがでしょうか。
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日本酒の味わいは、どう広がった? 素材と文化が生んだ多様性
日本酒の味は、素材の良さと、日本ならではの発酵文化によって生まれます。主な原料は米・水・麹という、きわめてシンプルなもの。けれど、精米の度合い・仕込みの温度・発酵の長さ・酵母の違いなど、工程の工夫によって、実にさまざまな味が生み出されてきました。
たとえば、ゆっくりと時間をかけて発酵させればまろやかで甘みのある酒に。酵母の力を引き出せば、香りの華やかな酒に。あえて雑味を残せば、力強く厚みのある味にもなります。
こうした“味のひろがり”が日本酒の魅力であり、土地ごと・蔵ごとの個性が育まれてきた理由でもあります。
また、日本酒は古くからハレの日の酒・神事の酒としても飲まれてきました。料理や食材に寄り添う「食中酒」としてだけでなく、味わいを楽しむ文化そのものの一部として、日本人の生活の中に息づいてきたのです。
多様で繊細な味わいが、受け継がれながら進化し続ける——それが日本酒という存在の、深くてやさしい魅力です。
お菓子と味わう、日本の食文化と日本酒の世界
日本酒の味は、固定されたものではなく、地域性・技術・嗜好の変化に応じて、今も広がり続けています。その柔軟さがあるからこそ、食事やおつまみはもちろん、お菓子との組み合わせも、自然な楽しみのひとつになってきたのかもしれません。
「甘み」「塩気」「旨み」「香ばしさ」——味のグラデーションを楽しむ日本の食文化と、日本酒の世界。どちらも、一口ごとに広がる奥行きをもっています。
少しずつ味わいながら、今日の一杯とお菓子の時間を、ぜひゆっくり楽しんでみてください。